ファスティングが身体に良いって聞いて気になってる…ダイエットにも効果があるらしいんだけど本当?どうやったら良いのかな?
そんなお悩みにお答えします!
- ファスティングとは
- ファスティングのメリット・デメリット
- ファスティングのやり方
一定期間食事をしないことで、身体に嬉しい効果があるとされるファスティング(断食)。様々なメディアで取り上げられる機会も増え、気になっている方も多いかもしれません。
ファスティングにはメリットも多いですが、期限付きとはいえ人間にとって必要な食事を制限するため、自己流で取り組むと体調を崩してしまうリスクがあります。
この記事では、ファスティングのメリット、デメリットと具体的なやり方をご紹介します。ぜひ、最後までご覧ください!
筆者は元看護師です。
前職では生活習慣病を抱える患者さんに栄養指導をしてきました。また、私自身も70kg→55kgと−15kgのダイエット経験があります。
知識がない状態で闇雲に行うダイエットはとても大変ですよね。私と一緒に学んで、効率的にダイエットを進めていきましょう!
ファスティング(断食)とは
「ファスティング(断食)」は一定期間食事を断つことを指します。
ファスティングは、英語の「fast(断食する)」が由来となっています。断食の目的は、普段の食生活で疲れた内臓を休ませること。その結果、余分な水分や物質を排泄しようとするデトックス効果が高まり、腸内環境の改善と代謝の活性化といった効果が期待できます。
ファスティングの実施期間は半日~数週間で、期間中に摂取する物や栄養素が指定されているなど、やり方は様々です。
ファスティング(断食)のメリット
身体に嬉しい効果があると言われる断食。断食によって得られるメリットをご紹介します。
- 減量・ダイエット効果
- オートファジー効果
- 腸内環境が整う
- 免疫力アップ
- 肌荒れ改善
①減量・ダイエット効果
ファスティングの一つ目のメリットは「減量・ダイエット効果」です。
ファスティング中は、食べ物による新たなエネルギー補給がない状態。そのため、身体に蓄えられている糖質や脂肪をエネルギーとして使うことになり、減量につながることが期待できます。
また、食べ過ぎていたり、偏った食生活をしていた場合、断食により心身ともにリセットすることで、食欲が嗜好に変化が見られることもあります。乱れた食生活を改善することも期待できるのです。
②オートファジー効果
オートファジーとはファスティングによって活性化される、細胞を新しくするシステムのこと。オートファジー(Autophagy)を英訳すると「自己(Auto)」「食べる(Phagy)」です。つまり「細胞が自分自身を食べる自食作用」を意味します。
人体は細胞でできており、細胞はタンパク質で作られています。古いタンパク質は体外に排出されますが、排出しきれなかったものは細胞内に溜まっていきます。これが蓄積すると細胞は、やがて衰え、体調不良の原因となってしまいます。
ファスティングにより起こる飢餓状態(絶食から16時間後より)が、オートファジーという作用を活性化させます。オートファジーが活性化されると、細胞内の古いタンパク質を集めて分解し、新たなタンパク質を作ります。古い細胞を、新しく生まれ変わらせるというわけです。
細胞が新しくなると以下のようなメリットが期待できると言われています。
- アンチエイジング
- 病原体の排除
- 発ガンを抑える
③腸内環境が整う
ファスティングの二つ目のメリットは、腸内環境が整うことです。
食生活が乱れていると、常に胃腸が働き続ける状態になって負担がかかり、腸内に悪玉菌が増殖して腸内環境が悪くなります。
ファスティングを開始すると、消化活動が抑えられます。消化吸収に使われていたエネルギーは、体の修復や疲労回復などに使われると考えられています。そして、体内に滞っていた便や不要なものを排出する働き(デトックス)が活発になり、腸内環境が整うと考えられます。
④免疫力アップ
ファスティングの三つ目のメリットは「免疫力アップ」です。
腸内細菌は約100兆個、1000種類以上も存在しており、腸内細菌叢から産生された短鎖脂肪酸などの代謝産物が免疫系・代謝系などの様々な機能を調整しています。特に免疫細胞が多く集まっている腸の環境を整えることで免疫力アップに繋がります。
⑤肌荒れの改善
ファスティングの四つ目のメリットは「肌荒れの改善」です。
肌荒れの原因として、腸内環境の悪化が挙げられます。腸内フローラが乱れ、悪玉菌が増殖すると、有害物質が多くつくられ、腸から吸収されて血液へ流れていきます。身体はこの有害物質を体外へと、皮膚からも排出しようとするため、肌に負担がかかってしまい、その結果きめが乱れたり、古い角質がたまることでニキビや肌荒れを引き起こすと考えられているからです。
ファスティングで、デトックス効果が活発になり、ニキビや吹き出物などお肌のトラブルの原因になる有害物質や老廃物を排出する働きが強まるといわれています。
ファスティング(断食)のデメリット
摂取カロリーの減少による、頭痛・めまい・眠気・吐き気・だるさ・下痢など
ファスティングにはメリットがある一方で、体調面へのリスク(デメリット)もあるため注意が必要です。
断食中に起こるリスクとして挙げられるのは、摂取カロリーの減少により起こる、頭痛・めまい・眠気・吐き気・だるさ・下痢などです。
これらは、いきなり何日間も断食することにより起こることが多いようです。まずは数時間から始め、長い期間の断食は医師など専門家の指導を受けながら行いましょう。
現時点で身体に不調がある方や現在通院中の方は、断食を始める前に主治医に相談することをおすすめします。妊娠中・授乳中・生理中の方も同様です。
また、成長期の方や体重が軽い方は栄養不足になる恐れがあるため、基本的に断食はおすすめできません。健康な方であっても、断食中に何らかの症状があらわれた場合には、断食を中断して医師による診察を受けましょう。
ファスティング(断食)のやり方
ファスティングの時間や日数の幅は様々です。自分の生活や体力にあわせて、無理なくできる時間からはじめましょう。
また、自宅で断食する以外に、医療機関や断食を専門としている施設で断食する方法もあります。このような機関を活用すれば、医師や専門家による指導のもと断食でき、万が一断食中に体調が悪くなっても、すぐに対処してもらえるところが利点です。
ファスティングのスケジュール
ファスティングの期間は16時間〜1週間で行われることが多いですが、期待する効果に応じたおすすめスケジュールを表にしてみました。
あくまでも一例なので、実際にするときは自分の体調を考慮しつつ、必要に応じて医師に相談しながら行ってください。
期待する効果 | 期間 | 向いている人 |
---|---|---|
内臓を休める | 16時間 | ファスティング初心者。 |
腸内環境の改善 肌荒れの改善 | 1日 | 初心者かつ効果もしっかり求めたい方。 |
2日 | 土日に時間をとれる方。 | |
ダイエット効果 | 3日 | 短期間で一時的に体重を落としたい方。 痩せやすい身体作りをしたい方。 |
5日 | ファスティング中級者。 | |
身体リセット | 1週間 | ファスティング上級者。 専門家と一緒に行うことがオススメです。 |
ファスティングのやり方
ファスティングを正しく行うには、「準備期・ファスティング期・復食期」の三つの期間に分けることが重要です。
いきなり食事を抜いてしまったり、空っぽの胃に食べ物を入れたりしてしまうと、胃腸に負担がかかってしまうからです。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
①準備期
ファスティングを行う前は、準備期を設けます。準備期の日数は、なるべくファスティング期と同じぐらいの期間を取ることがポイントです。
事前に胃にやさしい食事を摂り、体内の糖を減らすことで、ファスティング時にかかる身体の負担を和らげることができます。
準備食の選び方
おすすめ食材 | 避けた方がいい食材 |
---|---|
・味噌汁や野菜スープ ・おかゆや雑炊 ・納豆などの発酵食品 ・芋類など食物繊維を含む食材 | ・パンなどの小麦食品 ・香辛料などの刺激物 ・魚や肉などの動物性タンパク質 ・お菓子、ジャンクフード |
ファスティング期の前日は、夜の18〜20時までに食事を終わらせておくのがおすすめです。
②ファスティング期
ファスティング中は、食物からの水分がない分、いつもより水分摂取量が減るため、脱水症状になる恐れがあります。そのため「1日2リットル」を目安に水分補給しましょう。
水分やミネラルをたくさん取ることで、代謝が良くなり体内の余分な物質を排出が期待できます。
ファスティング中におすすめのドリンク
ドリンク | 効果 |
---|---|
水 | 身体を冷やさない常温の水がおすすめ。白湯は体を温め、空腹感を紛らわせるのでさらにおすすめ。 |
お茶 | カフェインや砂糖が含まれていないものを選択。ノンカフェインのホットティーは消化管にも優しくおすすめ。 |
炭酸水 | ノンカロリーのものを選択。炭酸で空腹感を紛らわせることができる。 |
スムージー | 食物繊維をたっぷり取ることができるドリンク。フレッシュな野菜を果物を手軽に摂取できるのが魅力。 |
酵素ドリンク | 野菜や果物を発酵させたエキスが詰まったドリンク。ファスティング中の消化酵素を補う効果が期待できる。 |
味噌汁 | 塩分と発酵食品を同時に補給できる。消化負担の少ない昆布だしと糖質の少ない赤味噌や豆味噌で作るのがおすすめ。 |
コーヒー | コーヒーには食欲を抑えたり、体内の老廃物を排出する効果がある。砂糖・ミルクは入れないこと。カフェインが含まれているため、飲み過ぎ注意。 |
ファスティング中に避けた方が良いドリンク
ドリンク | 理由 |
---|---|
アルコール類 | カロリーはそこまで高くないが、空腹時に飲むと胃腸への負担も大きい。アルコールがいつもより回って体調不良に繋がる可能性も高く、絶対に避けること。 |
牛乳 | カロリーがあるため、ファスティング中は控えた方が良い。 どうしても飲みたいのであれば、低脂肪のものを。 |
ジュース類 | 砂糖も多く含まれ、カロリーも高い。血糖値スパイクで体調不良に繋がる可能性もあるため、控えよう。 |
プロテイン | タンパク質を多く含む分、カロリーも高いため、胃腸への負担が大きい。 |
③復食期
復食期では、胃に優しい「回復食」を食べるように意識しましょう。ファスティング後のからだは栄養素を吸収しやすくなっており、この期間に「何を食べるのか」が健康な身体作りには重要になります。
◎復食期1日目(始めの食事)
復食期1日目は胃が空っぽのため、いきなり固形物を食べてしまうと胃腸に負担がかかります。そのため、以下のような食事がおすすめです。
復食期1日目の回復食
- 重湯(おかゆをゆるく炊いたもの)
- 具なし味噌汁
◎復食期2日目
復食期2日目以降は、準備食と同じように回復食を食べてください。この期間は「消化にやさしく、栄養価の高いもの」を摂ることが重要です。
おすすめ食材 | 避けた方がいい食材 |
---|---|
・味噌汁や野菜スープ ・おかゆや雑炊 ・納豆などの発酵食品 ・芋類など食物繊維を含む食材 | ・パンなどの小麦食品 ・香辛料などの刺激物 ・魚や肉などの動物性タンパク質 ・お菓子、ジャンクフード |
また、復食期はファスティング期と同じ日数が必要です。もし3日間断食したなら、3日間は回復食で徐々に胃腸を慣らすことが大切です。
まず16時間ファスティングを始めよう!
ファスティングには目的によって期間が様々であることをご紹介してきましたが、初めてファスティングを行う方は、「16時間ファスティング」をおすすめします。詳細記事は下記のリンクからどうぞ!
まとめ
ファスティングは、胃腸の負担を減らして体をリセットする方法です。内臓を休ませることで、デトックス効果や腸内環境改善により免疫アップ、肌トラブルの改善など様々なメリットが期待できます。
自分の体調に合わせたファスティングに挑戦してみてはいかがでしょうか?