ダイエットには漢方がいいって聞いたけど本当?
おすすめの漢方が知りたい!
そんなお悩みにお答えします!
この記事で分かること
- 漢方のダイエット効果とは?
- 自分の体質に合う漢方の見つけ方
- おすすめ漢方3選
- 漢方薬と組み合わせて効果的にダイエットするポイント5選
「ダイエットに成功したい」「負担なくダイエットを続けたい」…ダイエットをしたことのある方なら、誰でも一度は頭に浮かんだことがあると思います。
ダイエットの成功のためには、適切な食事と運動はマストです。でも分かっていても、習慣を変えるのは簡単なことではないですし、続けることはもっと難しいですよね。
そこで、今回の記事では「漢方薬でダイエットをサポートする」をテーマに、漢方のダイエット効果や、体質に合う漢方の見つけ方、実際に用いられる漢方薬をご紹介します!
筆者は元看護師です。
前職では生活習慣病を抱える患者さんに栄養指導をしてきました。また、私自身も70kg→55kgと−15kgのダイエット経験があります。
ダイエットは知識がない状態で闇雲に行うととても大変ですよね。私と一緒に学んで、効率的にダイエットを進めていきましょう!
漢方のダイエット効果
漢方薬とは?
漢方薬は、植物や動物、鉱物を原料とした自然由来の成分で、東洋医学の理論に基づいて体内のバランスを整えることを目的としています。
ダイエットにおける漢方の効果
漢方ダイエットでは、ダイエットそのものというより、「体質改善の一環」として処方されること。体内バランスの乱れ・精神バランスの乱れなど、肥満の根本原因にアプローチすることで、痩せやすくリバウンドしにくい体を目指せるのが特徴です。
実際、漢方薬による消化機能や代謝機能の改善、脂肪燃焼の促進、むくみの解消、ストレス緩和など、様々な効果が報告されています。
ただ、脂肪を直接燃焼したり、血糖値やコレステロール値を改善する役割はありません。目的はあくまで、乱れた体のバランスを整えること。そのことが代謝アップや食欲安定につながり、結果的に体重減少につながる…といった点に期待できる!というものです。
体内バランスを整えることで、体重減少だけでなく、体質改善やメンタルが上向きになるなどの効果も見込めるため、ダイエット以上の効果を得ることができるでしょう。ただ痩せたい、というだけでなく、根本から体やダイエットを見直したい、という方に漢方ダイエットはおすすめです。
自分の体質に合う漢方の見つけ方
現在の体の状態を把握しよう
体のバランスを整える漢方薬。効果的に使うためには、自分の体の状態を把握することが重要です。
現在の体の状態は、もともとの体質を示す「実証」「中間証」「虚証」の3タイプと、全身バランスの乱れの原因となる「気」「血」「水」の乱れから導かれます。
もともとの体質
- 実証:筋肉質・体力がある・食欲旺盛・暑がり・胃腸が強くて便秘気味
- 中間証:実証と虚証の中間でバランスがとれた状態
- 虚証:細くて華奢・体力がない・食が細い・寒がり・胃腸が弱くて下痢気味
全身バランスの乱れ
- 気の乱れ:だるさ・のぼせ・息苦しさ・動悸・不安・イライラ
- 血の乱れ:月経異常・便秘・血行不良・肩こり・乾燥
- 水の乱れ:頭痛・めまい・むくみ・吐き気
ダイエット向け漢方薬の選び方
自分に体質や体の乱れはチェックできましたか?ここからは、ダイエットに用いられる漢方薬を体質・体の乱れに合わせてご紹介していきます!
体質・体の乱れ別・おすすめ漢方薬
- 食べ過ぎ太り(実証:血・気・水の乱れ)→防風通聖散
- ストレス太り(実証:気の乱れ)→大柴胡湯
- 水太り(虚証:水の乱れ)→防已黄耆湯
漢方薬は、異なる効果や特徴があり、個々の体質や症状に応じて選ばれます。具体的に漢どれくらいダイエット効果が期待できるのか、実際の生薬の効能と合わせてみていきましょう。
後述しますが、漢方薬にも副作用や他の薬との飲み合わせによる効果の増減があります。実際の内服の際には、医師や薬剤師とご相談の上でお試しください。
①防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
防風通聖散がおすすめのタイプ
- 体質:実証
- 乱れ:気・血・水
- ついつい食べ過ぎる
- お腹に脂肪がついている
- 便秘がち
ひとつ目に紹介する漢方は「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」。ダイエット漢方といえば、コレ!という漢方薬です。この漢方は、食べることが大好きで、ついつい食べ過ぎてしまう方におすすめ。
18種類もの生薬が含まれており、効果としては「下剤作用」「健胃作用」「発汗作用」「水分調節作用」が挙げられます。気、血、水のバランスを整え、余分な老廃物を排出する効果のある防風通聖散は肥満症、便秘、むくみなどの治療に用いられています。
注意点としては下剤の併用を避けること。防風通聖散は便秘の治療効果もあるため、下剤との併用は効果が増強する可能性があります。
②防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
防已黄耆湯がおすすめのタイプ
- 体質:虚証
- 乱れ:水
- 運動不足
- 冷え性
- 下痢気味
ふたつ目に紹介する漢方は「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」。6種類の生薬から成る防已黄耆湯は主に利水作用が期待され、肥満症、多汗症、むくみなどの治療に用いられます。
防已黄耆湯は「虚証」つまり虚弱体質の方に向いているとされています。虚証の人は筋肉が少ないため水の流れが滞りやすく、足のむくみや冷え、胃腸の不調につながります。足がむくみやすく、疲れやすい、筋肉が柔らかく水太り、といった方におすすめの漢方薬です。
虚証体質の人は、胃腸が弱く寒がりな傾向があるため、できる限り冷たいものは控えるようにしましょう。
③大柴胡湯(だいさいことう)
大柴胡湯がおすすめのタイプ
- 体質:実証
- 乱れ:気
- ストレスを溜めやすい
- 甘いものが好き
- 頭痛や肩こりがある
三つ目に紹介するのが「大柴胡湯(だいさいことう)」。8つの生薬から成る大柴胡湯は基礎代謝を向上させたり、新陳代謝を促す作用が中心となり、胃炎や便秘、肥満症のほか、高血圧や肥満をともなう肩こりや頭痛の治療に用いられます。また肝臓での脂質代謝を向上させ脂肪消費を促す薬効があるとされています。
体力があって腹部が張っている、またストレスを感じる肥満気味の方に向いている、とされています。内服することで体にたまった熱や炎症、イライラの解消され、結果として甘いものを欲さなくなるので、ストレス過食に悩む人におすすめです。
下剤を飲んでいる人や虚弱体質の方は服用できないので注意が必要です。
ダイエット漢方薬の副作用は?
漢方薬は自然由来の成分を使用しているため、副作用は少ないとされていますが、薬を長期に内服する以上、副作用がでることがあります。
それぞれの漢方薬の主な副作用は以下の通りです。
防風通聖散の副作用
- 皮膚症状:発疹、発赤、かゆみ
- 消化器症状:吐き気、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、腹部膨満、激しい腹痛を伴う下痢、腹痛
- 精神神経系:めまい
- その他:発汗や動悸、むくみ、頭痛など
防已黄耆湯の副作用
- 皮膚症状:発疹、発赤、かゆみ
- 消化器症状:食欲不振、胃部不快感
大柴胡湯の副作用
- 皮膚症状:発疹、発赤、かゆみ
- 消化器症状:激しい腹痛を伴う下痢、腹痛
また、全ての漢方薬に共通して起こり得る重篤な副作用として、間質性肺炎、偽アルドステロン症、肝機能障害などが生じることがあります。
漢方薬といっても定期的な採血を含めたモニタリングは必須です。また飲み合わせの悪い薬(特に漢方薬同士)などもありますので、必ず漢方薬を飲んでいることを伝えるようにしましょう。
ダイエット目的の漢方薬は存在しない
ここまでダイエットに有用な漢方薬を紹介してきました。
漢方薬は体質改善を通じて身体の不調を改善するものであり、ダイエットを目的として作られたものではありません。
ダイエットで最も効果的なのは、摂取カロリーと消費カロリーを調節すること。その調節がうまくいくよう、土台を整える役割を担うのが漢方薬と言えます。
漢方薬と組み合わせて効果的にダイエットするポイント5選
先ほど述べた通り、漢方薬は痩せ薬ではないため、漢方薬だけでダイエットを成功させることは難しいです。しかし、漢方薬が全く意味はないわけではありません。通常のダイエットと漢方薬を組み合わせれば、よりダイエットが加速して進み、また体の調子も良くなることでしょう。
そうは言っても、好きなものを制限したり、辛い運動はしたくない…と頭をよぎると思います。分かってはいるけど、できないんだよ、と思われる方もいるでしょう。
そこでここからは「まず始める生活改善のポイント」をご紹介します。少しづつ意識して始めることで、心身の心地よさを実感できるはずです。体の調子が上向きになると、人間は自然と活動的になるもの。結果として心身ともにスリムになっていた!ということにつながれば、とても理想的ではないでしょうか?
まずははじめの一歩を小さく踏み出してみましょう。
漢方薬と組み合わせて効果的にダイエットするポイント5選
- 行動を起こす
- ストレッチを行う
- 食べたものを記録する
- 睡眠をしっかり取る
- 小さな運動習慣を身につける
①行動を起こす
ダイエットに食事制限と運動が必要というのは周知の事実。それでもモチベーションが上がらない、というのは誰しもが経験することでしょう。
人間は、モチベーション高く行動するのではなく、行動するとモチベーションが上がる、という仕組みらしいのです。これは大脳の「側坐核(そくざかく)」が持つ働きであることが分かっています。側坐核は「やる気」を司る大脳の一部で、この側坐核を活性化させるためには「実際に行動を起こす」ことが必要なのです。
まず、はじめてみましょう。疲れている時はスクワットを1日1回でもできたらOK、食事制限は無理でもコンビニでの買い食いはやめる、5kmのウォーキングは無理でも家の周りを1周してみる…など。
こんなこと意味があるのかな…?と思われるかもしれませんが、行動することでモチベーションが上がってきます。小さな一歩を踏み出すことが重要なのです。
②ストレッチを行う
ダイエットのためには筋トレや有酸素運動が重要ですが、運動習慣がない方がいきなり始めても継続は難しいでしょう。先ほどの小さな一歩にもつながりますが、まずは体を動かすことから始めます。
まず、家の中でできる簡単なストレッチからはじめてみましょう。私のおすすめはラジオ体操。誰でも一度はやったことがあるため馴染みがあり、可動域を広げながらリズミカルに行うため、その後の運動にも取り組みやすくなるためです。
③食べたものを記録する
ダイエットの成功には、食事制限や栄養バランスを取ることは必須。食事を減らす前に、自分がどのくらい食べているのか、どのような食材を好んでいるのかを把握することは、その後の食習慣の改善に大きく役立ちます。
メモアプリやダイエットアプリで記録するのも良いですが、おすすめなのは食べる前にスマホのカメラで撮影すること。実際に食べたものがカメラロールに溜まることで、食事内容が量や一目瞭然で、食べ過ぎや無意識の間食などをしっかり自覚することができるでしょう。
自分がいつ、どこでどのようなものを食べているかを把握すれば、事前に対策ができますし、食べる前に撮影するステップを踏むことで冷静になることもできます。
いきなり極端なカロリー制限ではなく、まずは自分の食習慣を見直す意味でも食べたものを記録することをおすすめします。
④しっかり睡眠をとる
睡眠不足はダイエットの大敵です。睡眠不足によりレプチン(食欲抑制ホルモン)が減少し、逆にグレリン(食欲促進ホルモン)が増加することが分かっています。
また甘いものやしょっぱいもの、炭水化物などを摂取したくなるとも報告されています。漢方を服用して体質改善しつつ、しっかり睡眠をとる生活習慣を身に付ければ、ダイエットの成功につながるでしょう。
睡眠時間の確保だけでなく、寝る数時間前はスマホを見ない、寝具や寝巻きの工夫など睡眠環境も工夫してみると尚良いです。
⑤運動習慣を身に付ける
有酸素運動はダイエットを加速する重要なポイントです。環境や体重によっても異なりますが、30分のウォーキングは100kcal前後を消費すると言われています。
しかし、仕事や学業、家事などに追われる人にとっては毎日の時間捻出に一苦労するかもしれません。そこで、日常にちょっとした負荷をかけてみることをおすすめします。
- エレベーター、エスカレーターを使わず階段で移動
- ショッピングセンターの端の駐車場に停めてみる
- 洗い物の最中にかかと上げ
体を動かすことで少しずつ体力もついてきます。習慣化すればそれが成功体験になり、モチベーションも上がってきますので、まずはできることから始めてみましょう!
ダイエットの漢方の効果のまとめ
ダイエットの漢方の効果のまとめ
- 漢方ダイエットは「体質改善の一環」として処方される
- 自分の体質に合う漢方薬を使用する
- 生活改善と漢方薬を組み合わせればダイエットは爆速する
漢方薬を使うダイエットは「生活習慣の改善」が必須です。まずは体調や生活を振り返り、自分に合った漢方を使うことでダイエットの成功につながります。
このブログでは、ダイエットにおける食事や運動などの有用な情報を発信していますので、チェックして頂き、生活習慣の改善や減量に役立てれば幸いです。